皆さんご存知の通り現在日本の自殺者総数が3万人を超えるという高い水準で推移するなかで、労働者の自殺者数も8千人~9千人前後で推移しています。
メンタルヘルス問題が社会問題となる中で、企業のリスクは年々増加しています。
厚生労働省は、2009年に自殺やうつ病によって日本経済が受けた損失額は2兆6800億円に上ったとの推計を自殺総合対策会議で公表しました。
※下記項目を経済損失に置き換えて計算
○ うつ病による生活保護の支給額、医療費
○ 休業にともなう所得の減少
○ 自殺による生涯所得損失額
1997年以前の自殺者数は約2万2千人に対し、1998年以後の自殺者数は約3万1千人と増加。
それが1998年以後も1997年以前の自殺者数と同水準で推移していた場合のGDP引き上げ額は約7千億円(2010年)になります。
ようするに、労働者のメンタルヘルス問題に取り組むことは国の経済対策にとって不可欠なテーマです。
事実、自殺やうつ病の経済損失を補うために厚生労働省は年々に労働者を守るためのルールを策定・改定しています。
 
(1)2006年 「労働安全衛生法改定」策定
「事業者のメンタルヘルス対策」の義務化
① 医師による面接指導制度の創設
1か月あたり100時間超の時間外労働で疲労の蓄積が認められる者で、かつ、面接指導に係る申出を行ったもの
② その結果に応じた措置を講じること
③ 衛生委員会等の機能強化
 
(2)2008年 労働契約法施行
労働契約法施行~「労働者に対する安全配慮義務」の明文化~
①危険予知義務
普段から危険を予測し、安全に配慮しなければならない義務
②結果回避義務
危険を予知したら、回避のため具体的な措置を取らなければならない義務
 
(3)2009年 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きの改定
「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」の文中に主治医による職場復帰の判断は、職場で求められる業務遂行能力まで回復しているか否かの判断とは限らないと明文化される。
この改定により復職判断において会社側の医師である産業医の意見の重要性が更に増したといえます。
4)2016年ストレスチェックの義務化
労働安全衛生法が改正され、2015年12月より、常時使用する労働者数が50人以上の事業場ではストレスチェックを年に一回実施することが義務化されました。
この「常時使用する労働者」には、契約社員、パート、アルバイト、派遣労働者も含まれます。
ストレスチェックの対象者は、以下(1)①および②の両方の要件を満たす者を指します。
 
①期間の定めのない労働契約により使用される者、もしくは、期間の定めのある労働契約により使用される者で、次のいずれかの要件を満たす者
a)契約期間が1年以上である者
b)契約更新によって1年以上使用されることが予定されている者
c)1年以上引き続き使用されている者
 
②1週間の労働時間数が、当該事業場で同種の業務に従事する者の1週間の労働時間数の4分の3以上である者
度重なる労働安全に関するルールの策定・改定により業務による心理的負荷を原因とした メンタルヘルス問題での労災請求や損害賠償裁判で企業側は確実に年々負けやすくなっているのです!!
最高裁の判決では今、「企業がどれだけ安全に配慮した努力をしているか?」が問われています。
- 産業医の先生はいるが、全然機能していない
- 産業保健体制のコストを削減したい
- 産業保健スタッフとの連携ができない
- 保健師とカウンセラーどちらを雇うべきか?
- 臨床心理士と産業カウンセラー、精神保健福祉士資格ごとにどんな特徴があるの?
- 労務トラブルが発生したが、どのように対処したらいいか
- 労基署からの指導が入る前に体制をしっかりと整えておきたい
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